この曲に出逢ったのは16歳のときだったと思う。
歌を始めたばかりのころで
『いかにして高音を出すか』
『どれだけ人より上手く歌えるか』に一生懸命だった頃。
5オクターブの音域を持つ
ミニーリパートンという歌手をある人がレコードで聴かせてくれるという。
最初に聴きたかったのは
『どのようにその "高い声" を出すのだろう?』そのことしかなかったかもしれない。
針が落ちて歌声が流れてきたとき
初めての『衝撃』を感じた。
雷に打たれたようにその場に身体が固まり
気がついたら大粒の涙がポロポロとこぼれていた。
テクニカルなことだけではなく
その歌声から伝わる『温度』や『愛』というものを
身を持って知った瞬間だった。
乳がんによりもう亡くなっていたことにも大きなショックを受けた。
この日に書いたわたしの日記がまだ残っている。
涙が止まらずにいること。
この曲と彼女に出逢えたよろこび。
そして自分もこれからずっと何があっても歌って行こう。と
強く誓った想いが書かれている。
わたしが歌うことを決めた
大きなきっかけをくれた曲であり
壁にぶつかり苦しいときもずっと見守ってくれてきた大切な大切な曲。
歌い続けて道しるべのように
その足跡を時々しっかりと見直したいな。